日本人が英語を習得するのに必要な時間


アメリカの外交官養成局FSI(Foreign Service Institute)のデータでは英語を母国語としている人が日本語を習得するのに必要な時間は約2200時間と定めています。
このデータを参考にそのまま、日本人が英語を習得するまでに必要な時間として当てはめると約2200時間ということになります。
ですが、英語を母国語としている人が日本語を習得するのに必要な時間数と、日本人が英語を習得するまでに必要な時間数には差異があると考えられます。
そして、ただ2200時間と言葉で表しても想像がしにくいため、日本の教育制度を基に「日本人が英語を習得するのに必要な時間」について解説をしていきます。
( 参照:https://www.state.gov/foreign-language-training/ )
日本の英語教育制度から考える必要な時間数


日本人は、中学校に入学をして高校を卒業するまでの期間に平均で約1000時間の英語学習をしています。
最近では小学校3年生から4年生にかけての2年間で英語に慣れ親しむため、外国語活動が始まりました。
この外国語活動とは、主に「聞く」そして「話す」を中心とした内容となっています。
授業ではアルファベットを使ったクイズやイラストを使ったゲームなどで、子供たちが楽しみながら興味を持って英語を学んでいける環境を作ります。
遊びを通して発音のリズムや英語の言葉の面白さを学び、慣れ親しんで今後の英語学習へのモチベーションを上げていく準備をします。
そんな外国語活動は、1回の授業で45分間です。
週に1回の年間35回となっているため、小学校3年生から4年生が終わるまでの2年間では約52時間学習をしたことになります。
そして小学校5年生から英語が本格的な教科の科目になりました。
つまり、成績に反映される歴とした科目に英語が追加されたということです。
この英語科目の授業では、小学校3年生から4年生にかけて学んだ「聞く」「話す」から移行して「読む」そして「書く」ということを中心に学習をしていきます。
文字や単語などに触れて、簡単な語彙を身に付けたりします。
慣れてくると、授業で覚えた内容を発表するという機会もあります。
さらに小学校5年生からの英語科目は週に2回となっています。
1回の授業で45分間あるため、年間で70回の授業を受けることになります。
そのため、小学校5年生から6年生が終わるまでの2年間では約105時間学習をしたことになります。
この結果から、小学校を卒業するまでには約160時間の英語学習を終えています。
( 参照:https://miranobi.asahi.com/article/3501 )
小学校から高校を卒業するまでの期間の英語学習の時間を合わせると、約1160時間です。
この合わせた時間を、日本人が英語を習得するのに必要な2200時間から引くと残りは1040時間になります。
毎日1時間勉強をしたとしても2200時間まで到達をするのには3年近くかかります。
仮に、小学校1年生から高校を卒業するまでの12年間で週1回の英会話スクールに通っていた場合でも2200時間までは500時間程の自己学習が必要になります。
この数字から分かることは英語を習得するには自己学習の時間がとても重要ということです。
日本の小学校から高校を卒業するまでの約1160時間の英語の授業では、それぞれ「読む」「書く」「聞く」「話す」の技能を学びますが、その中でも重要な「話す」という機会が海外の学校に比べて少なく思います。
受験やテストで良い結果を出すことが出来ても、実際に留学に行くとあまり話せなかったりすることはよくあると思います。
そういった点からも、自分の苦手な箇所や足りない部分を補う自己学習が必要です。
日本の教育制度から見ていくと「日本人が英語を習得するのに必要な時間」は2200時間以上が妥当と考えられます。
学習の理解速度は人によって異なるため2200時間程でも取得をしている方もいるかと思いますが、平均的には2200時間以上かけている人が大半です。
英語習得に必要な自己学習と継続
英語学習で大事なことは、諦めずに継続をすることです。
2200時間という数字を目の当たりにして道のりが長いと感じることもあるかもしれませんが、少しずつ吸収していくことによって言葉が自分のものとなっていきます。
通勤や通学などの移動時間を利用すれば、まとめて時間が取れなくても学習の時間に当てることができます。
また、寝る前の10分間なども効果的です。
比較的に短い時間の中で学習をすることで集中することができ、続きやすいです。
そして、毎日の生活の中で少しずつ取り組むことで習慣化にも繋がります。
習慣化をすることによってモチベーションが保ちやすく、継続をしていくことが容易になります。
隙間時間を駆使しながら、焦らずに一歩ずつ目標に近づけていくことがとても大事です。
まずは2200時間という学習時間を最低基準として目標設定をします。
そして、自身で積極的に自己学習に取り組んでいくことが「英語を習得する」一番の近道と言えます。