英語民間試験の延期の発表でますます心配する要素が増える大学受験です。
昨年度入試:安全志向へ
高校卒業生は2018年より0.5%減少している中で、2019年の私立大入試は志願者が5%増えているようです(ダイヤモンド・セレクト2019年8月号)。これは受験生が併願校を増やし、合格を取りに行ったことが要因だと考えられます。
河合塾によると、 志願者数は前年と比べ首早稲田が5%、慶応が3%、上智が10%減少し、明治は7%、青山学院は4%、法政は6%、立教は4%減で、受験倍率も緩くなったようです。
その一方、駒沢が9%、専修が23%増えるなど難関大に次ぐ中堅大で志願者が増え、競争が厳しくなったようです。(河合塾:https://www.keinet.ne.jp/)
理由1:新方式に対する不安
2021年から大学入試センター試験が廃止となり、大学入学共通テストの導入、数学と国語に記述問題が加わり、英語のテストもみ未知の要素が多いです。受験生にとってはとても大きな変化となるため、浪人を避ける動きが増えると考えられます。2020年の受験でなんとしても合格を勝ち取りたいという心理が強く働くと予想されます。
プレテストが既に行われていますが、変更点が多いだけでなく、難易度も上がりそうです。例えば、正しいものを1つ選ぶという形式から、当てはまる選択肢を全て選ぶ形式に変わったり、英語では伝記を読んでどのような人物なのかを把握させるような問題も出ています。
こちから問題を見ることができます:大学入試センター:プレテスト(dnc.ac.jp/sp/corporation/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test.html)
理由2:入学定員の厳格化
3大都市圏(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の8都府県)にある主要な私立大学が合格者数を減らしています。これは入学定員の厳格化が大きな影響を与えていそうです。
文科省が大都市の規模の大きい大学(定員8000人以上)が地方から学生を集めすぎていると分析し、地方の学生が地元の大学に通うようにするために、入学定員を厳しく監視するようになりました。この政策は地方創生が元の狙いと言われています。
大学が大幅に超過して入学させた場合、補助金を交付しないことを決めたため、大学は合格者を縮小しました。
2015年度までは、定員8000人以上の大規模大学の場合、入学定員充足率が120%以上になると補助金が受け取れなくなっていました。これを、2016年度以降、段階的に引き下げ、2018年度には110%以上になると補助金を受け取れないようにしたようです(東洋経済:都市圏の私立大学が合格者数を減らすわけ)
2016年度から次第に厳しくなってきています。16年度は定員の1・17倍、17年度は1・14倍、18年度は1・10倍となり、19年度も1・10倍が維持されるようです。
大学によってはもらってる助成金が年間で数十億円にもなっています。
18年度は前の年と比べて早稲田大が9%、法政大が17%、立命館大が11%も合格者を減らしたようです。
合格者を入学手続きの動きを見ながら徐々に追加発表する大学も多いようです。 (朝日新聞:asahi.com/articles/ASM195K21M19UTIL02T.html)