明治初期に始まった日本の英語教育は、社会の変化と共に指導内容や、指導方法が移り変わって来ました。
社会の中に存在する学校で行われる教育は、今後の変化を見据えて、「学習指導要領」の改訂を通して改革されて行きます。
約10年に1度改訂され、学習者の教科書や時間割は、学習指導要領を基に作られています。
外国語教育に関しては、小・中・高校で2018年からの移行措置・先行実施期間を経て、2020年度から大きな改革が開始されていきます。2020年度からどのように英語教育が変わっていくのでしょうか。


重要な変更点
- 2021年から英語の授業は英語で行われる
- 対話を重視した授業に変わる
- 授業時間はそのままで、扱う単語数は大幅増
中学校では、2021年から改定案の全面実施となっています。
英語は英語で
一番注目すべきなのは、英語の授業が英語で行われることです。


今までの「文法や語彙等の知識の獲得」を重視した授業から、文法や語彙を「実際に活用する」授業に転換していくようです。
対話を重視し、実際に英語を活用することを目標としているために、英語を使用した、英語の授業が進められて行くことになっています。
「英語は英語で」の考え方には、英語教育者・専門家の間でもかなり多様な意見があり、学習者や現場の先生がどのような反応をするかを丁寧に受け止めてほしいです。
年間の授業数は、140単位時間(週4コマ)と現状のカリキュラムと変わりはないですが、扱われる単語数は1200から、「1600~1800語」と大幅に増加します。
注目点
先生
日本語で説明するより、英語で説明した方が伝えやすいのか。
先生に英語を英語で教えるだけの力や経験値があるのか。
教材や指導方法を一からやり直す余裕があるのか。
生徒
学習者は英語を英語で学んだ方が単語や文法を習得しやすいのか。
分からない文法などが出てきたときに英語でも質問ができるのか。
モチベーションにどのように影響するのか。
先行している、高校での「英語は英語で」の実態を考えると、様々なリアクションが予測される改訂です。